AIに自分の資産配分を査定してもらった。6人の著名投資家ならどう評価する?
50代で会社を退職し、これからセミリタイア生活に入る。
そうなると、これまで以上に重要になってくるのが「資産をどう配分するか」です。
日頃からGemini Notebookを情報収集や調査に使っているおっさんですが、今回はいつもと違う使い方を試してみました。
おっさんはこれまで、ChatGPTやClaudeと相談しながら、自分の資産状況や今後の生活費、リスク許容度などを考慮して、資産のアセットアロケーションを検討してきました。ある程度納得できるポートフォリオができたところで、ふと思いました。
「これって、本当にこれでいいのだろうか?」
そこで、ちょっと面白い方法を試してみることにしました。
6人の「投資の賢者」に自分の資産配分を見てもらう
作ったのが、「著名投資家Q&A」というGemini Notebookです。
株式投資や資産運用について長年研究・発言してきた6人の資料を集めました。今回選んだのは、この6人です。
- ジェレミー・シーゲル
- ウォーレン・バフェット
- ジャック・ボーグル
- バートン・マルキール
- チャールズ・エリス
- ユージン・ファーマ
それぞれ投資に対する考え方には違いがあります。インデックス投資を重視する考え方、市場の効率性を重視する考え方、長期的な株式のリターンを重視する考え方など、立場はさまざまです。
そこで、彼らの書籍やインタビュー、講演などの資料をGemini Notebookに読み込ませました。さらに、自分の資産配分を検討した資料もソースとして追加しました。
Gemini Notebookは、登録した資料をもとに回答し、根拠となるソースを確認できるのが特徴です。「AIに投資について適当に答えてもらう」のではなく、「この資料群を前提に、自分の考えを評価してもらう」という使い方です。
まず、自分とAIで資産配分を考えた
ここが今回のポイントです。最初からGemini Notebookに「資産配分を考えて」とお願いしたわけではありません。まず、自分自身で考えました。
現在の資産、今後の生活費、退職後の収入、年齢、リスク許容度などを整理し、それをもとにChatGPTやClaudeと何度も議論しました。
「株式比率はこれくらいでいいのか?」 「現金をどのくらい持つべきか?」 「暴落したときに、この比率なら耐えられるか?」 「退職後なのだから、もう少し安全資産を増やすべきでは?」
そんなことをAIと議論しながら、少しずつポートフォリオを修正していきました。最終的には、暴落時にも生活費を確保できる「守りの資金」と、暴落時にこそ買い向かう「攻めの資金」を分けて持つ、という考え方に落ち着きました。生活費が足りなくなっても、値下がりしている投資信託や株式を慌てて売らずに済むように、というのが「守りの資金」の役割です。
そこで「著名投資家Q&A」に投入してみる
完成した資産配分の考え方を、今度は「著名投資家Q&A」に投入しました。質問はシンプルです。
「私が考えたこのアセットアロケーションについて、あなたのソースに含まれている6人の投資家・研究者なら、どのように評価するでしょうか?」
さらに、
- 問題点はないか
- 現金比率は適切か
- 分散は十分か
- 長期投資として合理的か
- 退職後のポートフォリオとして問題はないか
- 6人の意見が一致する部分・分かれる部分はどこか
といった点についても質問しました。
すると、単純に「良いですね」という答えではなく、「誰の考え方から見ると、どこが論点になるのか」という視点で、自分の資産配分を見ることができました。
AIを「答えを出す機械」ではなく「反対意見を探す機械」として使う
今回、個人的に面白いと思ったのはここです。
AIに資産運用について相談すると、ついつい「この考え方で合っていますか?」と聞きたくなります。でも、それでは自分の考えを肯定してもらうだけになってしまう可能性があります。
そこで今回は、むしろ「この資産配分の弱点を探してください」という使い方をしました。自分とAIで作った案を、6人の異なる投資思想を持つ人物の資料を与えた別のAIに批判してもらう。こうすることで、自分→AIとの壁打ち→著名投資家の知見を持つGemini Notebook、というちょっとした「投資委員会」のような形になります。
もちろん、これは本物の投資家に相談しているわけではありません。あくまで、公開された発言や著作を資料として与え、「これらを前提にすると、どう評価できるか」をAIに分析させているだけです。「バフェットが認めてくれた」という話ではなく、「バフェットの投資哲学から見ると、この部分はどう考えられるか」という仮想的な検証です。
実際に出てきた指摘
実際にやってみると、「暴落時のために温存している『攻めの資金』を少し減らして、その分を先に市場へ投入してはどうか」という提案が返ってきました。
正直、なるほどと思う部分はありました。ただ、いろいろ考えた結果、今回は見送ることにしました。
- 「守りの資金」と「攻めの資金」を分ける今のやり方に、自分なりに納得感があった
- 提案の一部は家族名義の資産を動かす内容を含んでいて、実行するなら家族との相談が別途必要だった
- 提案の一部は、NISA(非課税で運用できる制度)の枠を超えて、課税口座での運用まで広げるという内容だった。NISAの外で運用すると、将来利益が出たときに約20%の税金がかかる。今は非課税の枠内で運用できている安心感があるので、あえて課税される口座まで広げる必要があるのか、もう少し考えたいと感じた
「不採用」にはしましたが、この提案自体には価値を感じています。自分では気づきにくかった論点を、具体的に指摘してもらえたからです。まとまった資金が入るタイミングや、生活費が固まったタイミングなど、状況が変わったときにもう一度見直す材料として、この指摘は記録に残しておくことにしました。
「自分の答え」をAIで何重にもチェックする
今回やってみて感じたのは、AIの面白い使い方です。
AIに「資産配分を決めて」と丸投げするのではありません。
まず自分で考える → AIと議論する → 一度、自分なりの結論を出す → その結論を、別のAIに批判させる → さらに、複数の投資思想を持つ人物の知見をソースとして与える。
こうすると、AIを単なる「答えを教えてくれる先生」ではなく、「自分の考えを検証する壁打ち相手」として使うことができます。これは資産運用に限らず、いろいろな場面で使える方法かもしれません。
自分の資産配分に「セカンドオピニオン」を
資産配分は、一度決めたら終わりではありません。年齢、収入、生活費、退職など、人生の状況が変われば、適切な資産配分も変わってきます。
だからこそ、定期的に「そもそも、この資産配分でいいのか?」と立ち止まって考えることが重要だと思います。
今回の「著名投資家Q&A」は、そのための一つの方法です。自分で考えた答えをAIに作らせるのではなく、自分で考えた答えを、AIを使って多方面から検証する。これも、AIを使った資産運用の検討方法として、なかなか面白いのではないでしょうか。
⚠️ この記事はおっさん自身の資産配分を検討した過程を紹介するもので、特定の金融商品や資産配分を推奨するものではありません。投資には元本割れのリスクがあります。実際の投資判断はご自身の責任のもとで行ってください。