老人ホーム探しは、ネット検索だけでは分からない

老人ホーム探しは、ネット検索だけでは分からない

前回の記事(一人暮らしの親をどう見守る?冷蔵庫センサー+訪問看護でダブルの見守り)では、一人暮らしになった母を機械と人の両方で見守ろうとした経緯を書きました。しかし、そうした工夫を重ねても、結局は一人暮らしを続けること自体が難しくなり、老人ホームを探すことになりました。今回は、その「施設探し」で実際に何をしたのかを振り返ります。

親が老人ホームに入ることになり、おっさんも初めて老人ホームを探すことになりました。

こういう経験って、多くの人にとって初めてではないでしょうか。おっさん自身も、最初は「どうやって探せばいいの?」というところからのスタートでした。

まずは地域包括支援センターへ

まず相談したのが、地域包括支援センターでした。

「親が老人ホームに入ることを考えているのですが、どんな施設がありますか?」

そんな感じで相談してみました。

ところが、基本的には「ホームページにいろいろ情報が載っていますよ」という案内。

もちろん、ホームページを見れば老人ホームの情報はたくさん出てきます。 施設の写真、所在地、月額費用、部屋の広さ、設備など。 情報そのものはかなり充実しています。

でも、実際に探し始めてみると、これだけではなかなか決められません。

ホームページだけでは比較しにくい

例えば、

  • 個室の広さ
  • 月額費用
  • 入居一時金
  • 食事代
  • 施設の場所
  • 共用設備
  • 部屋の写真

こういった情報はホームページを見れば分かります。 いわば「スペック」です。

でも、親を実際に入居させることを考えると、それだけでは足りません。

「この施設は、うちの親に合っているのか?」

ここが一番知りたいところです。

実際に施設を見学してみても、短時間の見学だけでは分からないことも多い。

そこでいろいろ調べていくうちに、老人ホームを紹介してくれるサービスがあることを知りました。

老人ホーム紹介サービスを利用してみた

最初は正直、

「紹介サービスって必要なの?」

と思っていました。

ネットで検索すれば老人ホームはいくらでも出てきます。

しかし、実際に利用してみると、これはかなり便利でした。

一番良かったのは、単純に老人ホームの一覧を見せてくれるだけではなかったことです。

親の健康状態や身体の状態、介護の状況などを伝えると、

「この施設のほうがいいのでは?」

と、具体的にアドバイスしてくれます。

例えば、

「この施設なら、居室から食堂までの動線が短いので、こういう状態のご両親ならこちらのほうが生活しやすいと思います」

といった具合です。

これは、施設のホームページを見ているだけでは、なかなか分かりません。

また、数値スペックだけの比較ではなく、実際にそこで働いている人を見ているからこそ紹介できる情報もありました。働いている人に活気があるところを紹介してもらえたのは、本当に良かったです。

ちなみに、こうした紹介サービスの多くは、紹介先の施設側から支払われる手数料で運営されている民間サービスです。この手数料には法律上の統一基準がなく、施設ごとに金額のばらつきがあるため、手数料の高い施設に紹介が偏るのではないかという懸念が、全国有料老人ホーム協会や高齢者住まい事業者団体連合会などからも指摘されているようです。2024年12月には、厚生労働省が過大な手数料設定を禁止する通知を出したという経緯もあります。おっさんが利用したサービスでそうした偏りを感じたわけではありませんが、「紹介サービス=完全に中立な立場」とは限らない、ということは頭の片隅に置いておいたほうがよさそうです。

「老人ホームのスペック」ではなく「親との相性」

老人ホーム探しで重要なのは、

「一番きれいな施設はどこか」

「一番安い施設はどこか」

ということではないのかもしれません。

大切なのは、

「自分の親に合っている施設はどこなのか」

ということ。

そのためには、施設そのものの情報だけではなく、

  • 親の身体状態
  • 認知機能
  • 食事の状況
  • 移動能力
  • トイレや入浴の介助
  • 医療的なケアの必要性
  • 家族がどのくらい面会できるか

なども含めて考える必要があります。

老人ホーム紹介サービスは、こうした情報と施設側の事情を知ったうえで、「この施設なら合いそう」という候補を絞ってくれるところに価値があると感じました。

初めて老人ホームを探すなら

今回、実際に老人ホームを探してみて感じたのは、

「ネットで調べること」と「専門家に相談すること」は別物

ということでした。

もちろん、ホームページで情報を調べることは大切です。 費用や場所、設備などを比較するには非常に便利です。

ただ、それだけで最終的な候補を決めるのは難しい。

おっさんの場合は、老人ホーム紹介サービスに相談したことで、

「こういう状態なら、この施設のほうが生活しやすい」

という、スペック表には載っていない情報を教えてもらうことができました。

これから親の老人ホームを探す人にとっては、

  1. 地域包括支援センターなどに相談する
  2. ネットで施設の基本情報を調べる
  3. 老人ホーム紹介サービスにも相談してみる
  4. 実際に施設を見学する

という流れで探していくのが、一つの方法だと思います。

老人ホーム探しは、親にとっても家族にとっても大きな決断です。

だからこそ、ネットの情報だけで決めず、実際に人から話を聞いてみることも大切だと感じました。