一人暮らしの親をどう見守る?冷蔵庫センサーを導入してみた
これまでケアマネジャーとのやり取りについて書いてきましたが、今回からは、両親の生活が大きく変わっていった時期のことを振り返っていこうと思います。
母の病気が進行する中で、まず父から老人ホームに入ってもらうことになりました。
そこで新たに問題になったのが、一人暮らしになる母をどうやって見守るかです。
毎日、家族が様子を見に行ければいいのですが、現実にはそうもいきません。
何かあったときに、できるだけ早く気づける仕組みを作っておきたい。
そこで、いろいろな「高齢者見守り機器」を調べてみました。
カメラなら安心だけど、プライバシーが気になる
Amazonなどで「高齢者 見守り」と検索すると、いろいろな商品が出てきます。
代表的なのは、やはり見守りカメラです。
家の中にカメラを設置しておけば、スマートフォンからリアルタイムで様子を見ることができます。
確かに、これが一番安心なのかもしれません。
ただ、問題はプライバシーです。
いくら親の安全のためとはいえ、家の中を常にカメラで撮影されるのは、本人としても抵抗があるでしょう。
おっさん自身も、
「できればカメラを使わずに、何か異常があったことだけ分かる方法はないだろうか?」
と考えました。
そこで考えたのが「冷蔵庫」
いろいろ考えていて思いついたのが、
「冷蔵庫を開けたかどうかを確認すればいいのでは?」
という方法でした。
一人暮らしであっても、普通に生活していれば、朝・昼・晩と食事をします。
そして食事をするなら、冷蔵庫を開ける可能性が高い。
だったら、冷蔵庫のドアが開いたことを検知できれば、
「今日はちゃんと生活している」
という生存確認の一つになるのではないか。
そこで、冷蔵庫にスマートセンサーを取り付けることにしました。
使ったのは、SwitchBotの開閉センサーです(通知にはハブ機器が別途必要でした)。
冷蔵庫のドアにセンサーを取り付け、開閉を検知します。
これならカメラと違って、家の中を撮影することはありません。
親のプライバシーをある程度守りながら、遠隔で生活状況を確認できます。
実際に使ってみると、正常時の見守りには使える
実際に使ってみると、これが意外と便利でした。
冷蔵庫が開いたことが記録されるので、
「今日は朝に冷蔵庫を開けている」
「昼にも開けている」
「夜にも開けている」
ということが分かります。
もちろん、
「冷蔵庫を開けた=食事をした」
とは限りません。
それでも、少なくとも、
「今日も普段通り生活している可能性が高い」
ということを確認できます。
実際、母が一人暮らしをしている間は、正常な状態であればきちんと冷蔵庫の開閉を検知できました。
これは思っていた以上に役に立ちました。
ただし、「倒れたこと」は分からなかった
ところが、実際に母が倒れるという事態が起きました。
病院に行く途中で倒れてしまったためです。
当然ですが、冷蔵庫センサーは、
「人が倒れた」
ことを検知することはできません。
冷蔵庫を開けなければ、
「今日は冷蔵庫を開けていない」
という情報が残るだけです。
今回も、最終的には病院からおっさんのところに連絡が来ることになりました。
つまり、この仕組みだけで「異常を検知できる」と考えるのは危険です。
冷蔵庫センサーは「見守り」ではなく「生活確認」
今回の経験から感じたのは、冷蔵庫センサーは、
「高齢者の異常を検知する装置」ではなく、「普段通り生活しているかを確認する装置」
と考えたほうがいいということです。
正常な状態であれば、
「朝から一度も冷蔵庫が開いていない」
といった変化を確認できます。
しかし、
「転倒した」
「外出先で倒れた」
「急に体調が悪くなった」
といった出来事を直接検知できるわけではありません。
それでも、カメラを設置することに抵抗がある家庭にとっては、比較的導入しやすい方法だと思います。
見守りは「一つの機器に頼らない」
今回の経験で、もう一つ感じたことがあります。
高齢者の見守りは、一つの機器ですべてを解決しようとしないほうがいいということです。
例えば、
- 冷蔵庫の開閉
- 電気の使用状況
- スマートフォンの利用状況
- センサーによる室内の動き
- 定期的な電話
- 家族や近所の人による訪問
など、複数の情報を組み合わせる方法があります。
冷蔵庫センサーだけでは分からなかったことも、別の仕組みを組み合わせれば早く気づける可能性があります。
今回、母が倒れたときには冷蔵庫センサーでは異常を検知できませんでした。
それでも、「普段通り生活している」という正常状態を確認する仕組みとしては、十分役に立ったと思っています。
「何かあったらすぐ分かる」という万能な見守り機器を探すのではなく、
「何を検知できて、何を検知できないのか」
を理解したうえで、できる範囲から仕組みを作っていく。
一人暮らしの親を見守るうえでは、それが現実的なのかもしれません。